今回は、はじめて病院を受診した日の記憶について綴りたいと思います。
前回のブログで書いた通り、健診先から「胃がんの疑いあり」との連絡を受け、すでに受診の予約まで手配されていました。
ただ、その時の自分の中にはどこかで、
「毎年、胃カメラ検査を受けているのだから、何かの間違いではないか」
そんな思いが残っていたように記憶しています。
そのためか、受診の前日も特別に不安で眠れないということはなく、比較的落ち着いた状態で当日を迎えていました。
診察室に入ると、担当医の先生はすでに健診時の胃カメラの画像を確認されていて、目の前のモニターにもその映像が映し出されていました。
先生が最初に発した言葉は、正確には覚えていません。
ただ、「早期の胃がん」という説明があったように思います。
それ以上に印象に残っているのは、その後の会話でした。
「1週間後に手術の枠が空いていますが、入院できますか?」
その一言を聞いた瞬間、
ああ、自分はがんなんだと、現実としてはっきり認識した感覚がありました。
よく、がんの告知を受けたときには大きな衝撃を受ける、といった話を耳にしますが、
私の場合は少し違っていました。
頭の中に最初に浮かんだのは、
「仕事のスケジュールをどう調整しようか」
という、とても現実的なものでした。
自分でも少し意外でしたが、強い不安や恐怖というよりも、目の前のやるべきことに意識が向いていたように思います。
その場で入院と手術の日程を決め、診察室を出てそのまま入院手続きを進めていく中で、
少しずつ実感が積み重なっていきました。
ただ、それでも気持ちが大きく落ち込むというよりは、
淡々と現実を受け止めていく——そんな感覚の方が近かったように思います。
今振り返ってみると、こうした受け止め方も一つの反応なのだと感じます。
がんと向き合ったときの感情は、本当に人それぞれで、どれが正しいというものでもないのだと思います。
大きな衝撃を受ける方もいれば、
私のように、静かに現実を受け入れていく方もいるのかもしれません。
もし、これから同じような場面に直面する方がいたとしたら、
感じ方は人それぞれであっていい、ということを、
どこかで思い出していただけたら——
そんなふうに思います。